Eek ! The Cat ( SNES )


 
 OCEAN発行のゲーム誌“ OCEAN's WAVE ”にて・・・。
 同社オリジナル製作の “ 隠れた良質B級アクションゲーム ”、
 「 MR.NUTZ (ミスターナッツ) 」の紹介が華々しい・・・。
 多数のスクリーンショット、モンスター紹介。同社の力の入れ様が垣間見れる。

 ・・・この裏に当たるページに・・・。
 
 ・・・とあるゲームの予告が・・・。
 「 Eek ! The Cat 」・・・?
 
 紹介ページの色合いと、キャラクターの雰囲気。
 カートゥーン・ゲームのファンならば「ハッ」としてしまうだろうが、
 まだ この時点ではスクリーンショットが無いようだ・・・。
 それにしても、気になる一節が。
 
 Some of the TOUGHEST gaming action
 you've EVER seen.  
 
 ・・・と、ある!!
 当ゲームがリリースされたのは1994年。
 この時期に、そこまで言ったのが “ 本気 ”だったとするならば、
 このゲームこそ、 OCEAN が SNESユーザーに叩きつけた、
 最強(最凶・最狂)の挑戦状だったのではないだろうか・・・?!



 ・・・ いざ、当作品とサシで向かい合ってみると・・・。 
 このゲームは外注であって、OCEAN社オリジナルの“挑戦状”は
 やはり「 Pugsley's Scavenger Hunt 」であることが分かる。

 外注。開発は「CTA Developments」。
 このゲームは、AMIGAやDOSで発売された同社の激ムズ糞ゲー、
 「 Sleepwalker 」(93年発売)のリメイク作品だったのである・・・!

 リメイク、といっても カブっている部分も多い。
 則ち、家庭用ゲーム機ではCD32というマイナーな機種を除き
 発売されなかった問題作「 Sleepwalker 」を
 SNESで楽しめるという“旨み”がある、・・・という見方もできると。
 

こんなゲームです・・・!!


 プレイヤー“Eek”自身はHPを持たず(不死身で)、
 各ステージごとで 何らかの理由により彷徨い続けるパートナーを
 ゴールへ導くのがゲームの目的。
 ゲーム進行自体が一種の“縛りプレイ”的であるといえて、
 完全にマニア向けゲームである。
 もはや、Eek! のファンというだけでは買ってはいけないと断言できるレベル。

 原作「Sleepwalker」では全6ステージ共、夢遊病の男の子を導くものだったが
 当作ではキャラ設定を強引に「Eek !」に。
 夢遊病のはずの“パートナー”は、どういう設定になっているのか・・・!

 ステージ1の舞台はジャングル風の動物園。原作のステージ2の移植だ。
 そして、気になる“パートナー”は、「隣人の お婆さん」・・・(笑)。
 取扱説明書記載の“設定”は、

 “ ひょんなアクシデントから、隣人のフレンドリーな お婆さんは イークが病気持ちだと思い込み、
  イークを動物病院へ連れて行くことに決めた。しかし不幸にも彼女はコウモリのように盲目であるために、
  動物病院ではなく動物園に迷い込んでしまった。 ”

 ・・・というのである。
 ・・・笑えるだろうか? ちょっと苦しい気がするのは、気のせいだろうか。

 いざ、ゲーム開始。
 操作ルールは原作と大差ない。
 しかし、今作オリジナル要素 “方向キー押しっぱなしでダッシュ(その加速度合いが半端でない)”により
 操作性が悪くなっている。




 地形トラップ、間隔トラップを見つけたら、パートナーの前に立ち塞がって、せき止めよう。
 この状態で↓キーまたはXボタンで、両者の位置を入れ替える事ができる。
 Aボタンを押せば、せき止めていたパートナーを振り返らせることができる。
 Yボタンは攻撃だが、あまりにリーチが短く、相打ちでも命中しにくい程 頼りない。
 しかし、これで倒せるザコ敵もいるので、できるだけ倒しておいた方が、道中がラクになる。




 パートナーを段差の上へ導くには、パートナーの背後に付いてAボタンを押すだけ。

 お婆さんを蹴り上げれば、お婆さんは飛んでいく。

 しかし その飛距離は、原作「Sleepwalker」の男の子と比べたら重いからなのか、短い。
 飛距離を伸ばすには、パートナーを押す“助走距離”を長くすること。




 穴があったら、パートナーを蹴っ飛ばして越えさせてから、自分もジャンプで越える。
 しかし、天井が低いと、そうもいかないだろう。

 これくらいの穴なら、蹴っ飛ばすよりも・・・




 先にEekを穴へ進ませれば、こんな芸当が。
 原作でも あった仕様だ。

 何の ためらいもなくEekを踏んで歩いていく お婆さん。



 木の幹にヘビが巻き付いている。原作でも出現した。
 ザコ敵なのか、トラップなのかは、とりあえずYボタンで攻撃を試みるしかないだろう。
 ちなみに、コイツは「死なないザコ」で、攻撃を当てれば一定時間気絶させることができる。
 これで安全に通過できるが、お婆さんを蹴り上げて避ける方法もある。
 しかし今回は、原作と違って“Eekが犠牲になって その間にパートナーを通過させる”方法が
 通用しない。なぜならSNES版は、攻撃を喰らうと、壁に当たるまで吹っ飛ばされるから・・・。
 ・・・つまり、壁がなければ何画面分でも吹っ飛ばされるということ。
 パートナーとの距離が大きくなり、追いつく頃には、パートナーは先の別のトラップの餌食に。




 水が・・・。
 パートナーは泳ぐことができず、着水=即死である。

 水面を樽が流れてきた。

 ・・・まさか。





 盲目の お婆さんが、水面に浮かぶ樽の上を歩いています。

 本当に盲目なのでしょうか。常人にも できない芸当です。

 お婆さんです・・・。



 ステージ1は3つのエリアで構成されており、ここは第3エリアの終盤。
 オランウータンが樽を次々と転がしてくる。
 お婆さんが樽に当たらぬ為には、事前に勘で お婆さんを蹴っ飛ばさねば間に合わない。
 ・・・しかし、もっと楽な方法もある。
 この場所の左上に木の枝があり、一旦そこへ お婆さんを蹴っ飛ばせば、
 彼女がココへ来るまでにタイムラグが生じ、その間にオランウータンを気絶させ、
 気絶が解けるまでに一目散に お婆さんを押してココを通過してしまう、と。
 地形を熟知した、パズル感覚である(とはいってもステージ1は序の口だが・・・)。
 なぜ そこまで、ダメージを受けないことに こだわるのか。
 このSNES版には、HARDモードがあるからである!!
 ハードモードでは、受けるダメージが飛躍的に大きくなる。
 例えば、ゾウの水しぶきに当たっただけでライフの半分近くが減るのだ。
 ただでさえ、パートナーは壁で折り返す際に若干のダメージを受ける(原作も同様)。
 ゆえに、一つ一つの局面でノーダメージで進む方法を見出さなければ、
 HARDではクリアーできないようになっている。



  ステージ2の舞台はエイリアンの町。 原作には無い、オリジナルの面。
 パートナーは、ガールフレンドのAnnabelle 。 設定は・・・
 
 “ エイリアンが、地球に向けた破壊光線のバッテリーとしてAnnabelleを使う為、
  彼女を誘拐した。遺憾ながら、バッテリーマシンによって彼女は気絶し、
  エイリアンの町をよろよろ歩いている。彼女と地球を救おう! ”
 
 オリジナルなだけに、超高速ダッシュを要求する箇所のほか、
 難解なトラップやパズル性、電撃攻撃が手強いザコ敵が ひしめいている。

 当ステージが いかに厄介か、見てみる → GO!!



 ステージ3の舞台は墓場。 原作のステージ3の移植だ。
 パートナーは、Wendy Elizabeth と Johnny Braincloud 。  設定は・・・
 
“ 今宵はハロウィン。オバケ達が墓地に集う。
 ウェンディ・エリザベスと J.B.も、変装した。衣装は七面鳥を象ったもの。
 しかし衣装のミスなのか、七面鳥の頭に当たる箇所から顔を出すことができず、
 結果、前が完全に見えない状態でうろうろしている。 ”
 
 ・・・、という(苦笑)。

 原作では、墓地・・・といっても それは最初と最後だけで、ステージの大部分は
 地下墓地・・・というか、洞窟のような空間だった。
 今作ではエリア1と4が屋外(墓地)で、メリハリが効いていて個性も出ている。
 ただし 高速で飛び回るコウモリと 感電させるウィスプが厄介である。

 エリア2と3は、原作の移植度が高く、壁を開く仕掛けの他、
 ドラキュラ(パートナーは触れれば即死)にコウモリにされるのも、原作まんま。
 ただし、彼を消す為の「十字架」は何故か「ニンニク」に変更されている。



 ただしエリア2では、水面が致死の高さまで高くせり上がる。
 パートナーを急いで足場へ蹴り上げねば、即死ということである。
 トラップとして突然現われる化け物にEekはビックリして身動きが一切取れず、
 その間にパートナーが着水することも多い。
 このエリアは上に順路が続いており、先のシーンでミスすると、
 パートナーはココまで落ちてきてしまい、あっという間に着水してしまうのだ。
 エリア2は、今まで経験したことの無い難易度と思う。
 死んで死んで、死にまくって体得して欲しい。



 ステージ4の舞台は雨降る市街地。原作のステージ6の大幅リメイク。
 パートナーは、クマのPierre 。 設定は・・・。
 
 “ 完成して10周年の市長像の記念イベントに Squishy Bears達は招かれた。
  不幸にも敵の Rat Packに彼らは誘拐され、石像盗みの犯人に仕立てられた。
  石像とクマ達がトラックで運び去られた際、1匹のクマが脱出を試みた。
  走るトラックから転がり落ちた Pierre は、気が遠くなっている。 ”
 
 ・・・だってさ。

 エリア1は、前半は天窓・火炎放射のトラップに対処しながら、かつ、
 ザコ敵のヘリコプターも倒しつつ登っていく、高密度仕様。だが問題はその後。
 エリア2には、原作にもあった電線が登場。Pierre が電線上を歩いている時、
 その電線上で Eek がジャンプしたら、Pierreは電線から落ちてしまう。
 その逆も然り。 その他、 落雷や一撃死のマシンガンなどのトラップあり。
 エリア3はスタート地点=ゴール地点で、パートナーが見当たらない異色な面。
 このステージの何処かにいる敵がパートナーとなる。終盤の誘導が激ムズ。



 ステージ5(ラストステージ)の紹介はコチラ →GO!!



戻る