コナミ VS SEGA 【第1幕】 〜バットマンリターンズ

第1章・・・先攻: SEGA


バットマンリターンズ (メガドライブ版)
 
MD版「バットマン」よりアクションの幅が広がった?!
 「バットマン」では真上にワイヤーを張れたが、ジャンプ中に斜め上へも張れるようにした。
 バットランだけだった武器を5種類にも増やしてみた。
 空中でAボタンを押せば滑空できるようにしてみた。ハハハ、これでサン電子より凄い!
 ・・・って思いながら作ったのかは知らないけれど、一般的に「難しい」とされる、不人気作品。
 ワイヤーの掛かりにくさ、折角できるようになったスインは使える場所が事実上限定的、
 ホーミン弾を除いて「真っすぐ前方への」似たり寄ったりの武器たち。
 滑空!・・・といっても落下角度が急で、それも、アイテムで増える制限時間付きだから
 その有用性・自由度高いアクションかというと首をかしげたくなるのが実態。
 ゲームバランスに関しては、敵全般がキビキビとしていて、攻撃してくるタイミンが速い。
 (勿論 避けきる方法はあるだろうが)完璧に避けれるように作られていないようにすら見える。
 その救済策なのか、所謂「ごり押し」が まかり通るようなゲーム性になっているという(苦笑)。
 敢えて言えばトライ数3回設定(実際には4回)での復活が一番難しいけれど、
 ソレできる人って そもそもゲームオーバーにならないじゃん・・・など、色々と残念なんです。
 本来グラフィックに力を入れた作品でもあるが、全体的に配色が暗すぎて損をしている。

マスターシステム版・ゲームギア版
 
嗚呼、なんと佳作なダウングレード。
 MD版の基本的な舞台設定(全5ステージ)は そのままに、斜めワイヤーとスイン、滑空、
 ・・・と、アクションのバリエーションも損なわないまま見事に簡略化したのが、このSMS版。
 真上ワイヤーは空中ならば任意のタイミンで張ることが可能で、
 滑空はジャンプボタンの押しっぱなしでOKなど、空中におけるバットマンの操作を自由自在化、
 各マップも それに見合ったトリッキーな構成になっている。
 オプション画面での難易度設定は無いが、各ステージは2つのルート(マップ群)から選べる。
 ルート1は簡単、ルート2は全体的に不安定な足場になっていて、これが実質的難易度設定だ。
 ステージ4では、ルート1にしか出て来ない敵(ペンギン兵)、ルート2にしか出て来ないトラップ有り
 ・・・と、どちらのルートも一通り遊んで損は無い作りになっている。
 売りのワイヤーアクションを存分に活用するアクション性高いステージ4ルート2はオススメだ。
 レトロゲームでは「海腹川背」の次に来てもおかしくない作品!
   ゲームギア版は背景の書き込みが多くて雪が降ったりとグラフィック的に優位で、
   メモリ制のHPと、(それに合わせる形での)ザコ敵・ボス敵の攻撃方法や動きとなっている。
   MD版同様のオープニンのほか全体攻撃も存在している。
 ・・・だが、今からレトロゲームに挑む人に対しては「即死制」のSMS版が、ヤッパリお勧めだ!



第2章・・・後攻: コナミ

 1993年に入るとSFC版(海外ではSNES版)が全世界で大量に発売され、あっという間に値崩れした。
 当ゲームのプレー人口はバットマンゲーム中最大だったのではないだろうか。

 実写のような綺麗なデモ、映画の雰囲気を殺さぬ音楽、抜群な操作性に、
 単調なファイナルファイトより余程変化のある仕掛け・演出。
今となってはネット上で評価を一層上げつつある。
 そして、メガドライブ版と比較されて更なる高評価を受けている。

 日本では完全なる「コナミの勝利」だった。
 ・・・しかし日本以外の国々では既に、セガの「次の秘策」があった。
 セガCD版である。これは、最悪だったGenesis版にオリジナルな3Dステージを追加させデモまで追加した、瀬戸際の力作だった。
 これはGenesis版とは違ってユーザーに受け、現在でもセガCD屈指のゲームの一つに数えられているようなので、
 セガとしては成功だったのかもしれない。

 知名度やポップ性では間違いなくSFC版に負けるが、セガCD版 それ自体は まぁまぁの完成度。

 元々SFC版より渋いグラフィックだったGenesis版アクションステージ。
 追加された3Dステージの背景は格好良く、セガCD版に軍配を上げたいのだが・・・。
















VS

         
バットマンリターンズ (SFC版)

 当ゲームは難易度設定を上げていくごとに
 エンディンが追加されていく、
 アクションゲームファンとしては嬉しい仕様。


 ステージ1 バットマン登場
 ステージ2 バトル・イン・ ゴッサムシティストリート
 ステージ3 Cat Woman
 ステージ4 ザ・ペンギンの罠
 ステージ5 バットモービル出動!
 ステージ6 サーカス・トレイン
 ステージ7 ラストバトル・ アークティックワールド

 難易度設定で「MANIA」モードを選ぶことと、
 トライ数設定で「5」や「7」を選ぶということを同時におこなうとすれば
 これ則ち「矛盾」であるから当サイトとしても
 「MANIAモードを選択するなら3人設定を選ぶ」ということを
 強く推奨するほかございません。
 だいたい、取扱説明書の第3頁に「プレイヤー数は3人設定です」と
 明記されています。それが本来のものなのです。
 
 勝利を最速で勝ち取るためのカンニンペーパーをここに作成、
 置いておくこととします。 
GO !!
Batman Returns (SEGA CD版)

 MD版のアクションステージ5面に、
 セガCD版オリジナルの3Dステージが5面追加され、
 これらを交互に進んでいく形となる。
 アクションステージのみ・3Dステージのみのプレイに
 設定する事もできる(
いきなり全クリは無理でしょう、要・練習)。
 ハイクォリティな音楽(アクションステージの音楽も一新)、

 追加ステージに登場する中ボス・ボスキャラの数は多い。
 MD版ですら12戦もあったボス戦は20戦ほどに膨れ上がっている…!
 一方でコンティニュー数は3回に減少。MD版を楽勝でクリアーできる奴向け。
 
 ステージ1 (Driving)   Streets of Gotham
 ステージ2 (Platform) Gotham City
 ステージ3 (Driving)   Winter Wonderland
 ステージ4 (Platform) Schreck's Wonderland
 ステージ5 (Driving)   City Limits
 ステージ6 (Platform) The Red Triangle Circus
 ステージ7 (Driving)   Sewers of Gotham
 ステージ8 (Platform) Into the Sewers
 ステージ9 (Platform) The Penguin's Lair
 Driving mode 5th: The Penguin's Lair (Driving mode exclusive level)


Batman Returns (NES版)

 バットマンリターンズの海外ファミコン版。日本未発売の和ゲー。
 実写版映画を写した緻密な絵のデモ、真面目路線の背景、いずれもNES最高峰クラス。
 開発は異なるがFC 版 「バットマン」のグラフィックが好きな人なら間違いなくオススメ。
 基本はベルトアクションで、 サイドビューのカーSTG(バットモービル)と
 サイドビューSTG(バットスキーボート)が一部挿入されるスタイル。
 アクションゲームなのに「経験値」制を導入。
 長くやればやるほど(コンティニューを重ねるほど)難易度が下がっていくという画期的なシステムで、
 初心者からアクションゲームファンまで広く対応。※

 
  ステージ1 ゴッサム街 Boss:刺青怪力男
  ステージ2 シュレック・デパート Boss:Cat Woman
  ステージ3 アイスプリンセス救出 Boss:ソードマン&刺青怪力男
  ステージ4 サーカストレイン Boss:オルガングラインダー
  ステージ5 ペンギンの軍隊 Boss:ダック・ビークル
  ステージ6 アークティック・ワールド Boss:ザ・ペンギン
 
※ボス敵がシッカリ作られているほか、ザコ敵はSFC版よりも手強い動きをする為、
 正確なスライディン攻撃を高頻度で決め続けていく必要がある。パスワード制など安心設計ではあるものの、
 SFC版をNormalモード以下・7人設定でプレーするような人にとっては なかなか厳しい難易度と言えるだろう。


 実際には海外でも一般的に「 コナミの勝利 」とされているようだ。
 しかしコナミの猛攻は、 NES版とSFC版という名作だけではなかった…!

DOS版AMIGA版である。


Batman Returns (DOS版)
 
 一線を画してコチラのバージョンは
 アドベンチャーゲームに仕上がっている外注品。
 Genesis/Sega CD版ほど渋くはないものの、
 陰の出し方や高さの表現が上手い。
 一枚一枚の背景に夜の妖しさや深みが
 上手く表現されていて、
 ゲームの中の世界に引き込まれそうになる。

 アクション要素は少なく、そのアクション要素に関しても
 FCやSFCをバリバリ遊んできた御仁からすれば
 楽しいとはいえないレベルだろう。
 ただ、この時代の海外PCゲームは綺麗な一枚画重視の
 P&Cアドベンチャーが流行っていた事から
 出るべくして出た作品とも捉えることができよう。
 

Batman Returns (AMIGA版)
 
 特に怪しい外注品。元々A500用のゲームだが、
 CD32+FDDでの起動難易度はLv.1と、敷居自体は低い。
 武器変更は↓+ Redボタンで可能だから、
 ポーズをかけずに進めるならキーボードも不要なのだ。
 
デモシーンの絵や背景自体は大変緻密なグラフィックで
 他版よりも映画の再現度が高いシーンがあるものの、
 バットマンや敵キャラの絵は下手気味。

 
 敵の配置や当たり判定が雑な印象を受け、
 アクションゲームとしての出来が「中の下」に感じられ、
 ゲーム誌「CU AMIGA」で10点台を叩きだしたとされるのも
 分からないでもないが、今回、以下に筆者なりのレビューを
 まとめておく。動画サイトでは分かりにくい事々を中心に。
 
 Go!!

結論!

 最後に一言でまとめると、

     勝   コナミ   >   SEGA     負

 ・・・となる。




他派(アウトロー)


Batman Returns (ATARI LYNX版)

 ・・・見ろよ
。バットマンのガジェットみたいだろ?
 レトロゲームで過去最高に カッコイイ姿をしたハード「 LYNX 」にて(※)
 発売された「バットマンリターンズ」は、最凶と謳われる難度で有名。
 バットマン・ゲームのファンにも LYNXのファンにも薦められない、
 「あっ!!」と思った次の瞬間、
 君のLYNXの画面内に 君のバットマンは もういない!(笑)
 あるのはタイトル画面だけだ。そんなゲームだ。 攻略記事→ Go!!

 (※それは後期モデルの「II」のことです。「Lynx I」はダサいです。)


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追記:
2012年6月、SFC版「バットマンリターンズ」MANIAモード兼3人設定の難易度格付けを
SFCとしては高い部類になる「A2」格に新規格付け致しました(暫定評価です)。
筆者はベルトスクロールアクションが比較的得意ではない為、過大評価の可能性も否めません。
これに関しては、今後MANIAモード兼3人設定に挑戦する人々の絶対数の増加を待って
その「客観」への擦り合わせをしたいと考えています。