真夏の熱帯夜に見し悪夢企画2010

Surf Ninjas  for CD32


過去最悪の公式発売ゲー。

 C級アクションコメディ映画「鉄の顔を持つ男」(レスリー・ニールセン)をゲーム化。
 海外サイトに於いてCD32のゲーム・ワーストランキンで1位を今も独走中。
 最初に発売されたAMIGA版は、AMIGA全体でのワーストランキンで
 トップクラスには入っているが1位ではない。その理由について
 AMIGA全体という大きなくくりでは、ゴミ同然のカスゲーも含まれるゆえ
 1位でないのは仕方ないのか・・・CD32という狭い世界なら1位なのか・・・
 ・・・そう思って当作品を軽視していた、そんな時期がありました。
 しかし実際手に取ってみると、CD32版の「CD32中で1位」の必然性に
 気付かされたのであった。
 ・・・それは弱ったハートに渾身の一撃となる痛烈な衝撃であった。


↑ この辺が「Surf」っぽいと。
 SFC等ならB級のゲームでもAMIGA誌の中では90点くらいに持ち上げられるが
 そんな中で10点〜20点という信じられない低得点。
 いかにAMIGA関係者・AMIGAファンを失望させたか想像に難くない。
 そもそも、各ステージ開始時の実写取り込み一枚画とアイテム約1個(金鞘の剣)
 を除いては、全く映画と関係していないのだ。
 映画の主人公は、ジャケ画中央の細身の男の子で16歳という設定。
 実際に操作することになる推定上腕囲45cmの角刈り男。コイツ誰やねん(笑)。
 16歳では とても手に入れられそうもない筋肉量を誇るオッサンである。
 敵は忍者風のキャラ1種類のみだが、このような姿のキャラも映画には出てこない。
 要は、まったくオリジナルなんです。
 登場キャラも、背景オブジェも、主人公も敵もアイテムも。ストーリー進行も!

例えばステージ1では道を塞ぐトラックのオッチャンに指定数の木箱を渡す。
ステージ2では3つに分裂したサーフボード(苦笑)を村人に渡して金鞘の剣を貰って
洞窟を通過する。ステージ3では宝石商に要求された宝石を渡して本を借り、
その本を本棚に挿して隠し部屋に入ったらエンディン・・・という!
このように意味不明な進行(ラスボスも不在なのょ)に追い打ちをかけるのが、
「公式発売作品」として首をかしげたくなる事例の数々。
・単に歩く&横ジャンプするだけで肩が凝るほどの、操作性の悪さ。
・敵が現れると一気に処理が重くなり、操作性の悪さに拍車がかかる。
・武器アイテム「棍棒」を使う際の操作性の超絶的悪さは、
 マスターシステムの あの作品(世界ワーストクラス)に迫る。
・コチラの攻撃も敵の攻撃も、当たり判定が適当。敵の攻撃を受けたくないなら
 敵のほうへジャンプしながら貫通するだけでOK・・・という仕様。
・歩いたりジャンプするほど、勝手にHP減ります。特にジャンプキック。
 これを知らないと次のステージまでHPもちません(もちろん取説に不明記)。
・敵の心臓を引きちぎる過激な攻撃方法あり(映画にそんなシーンありまへん・・・)。
 フェイタリティ扱いであるという取説説明だが、
 単にダメージ与えるだけで、敵は起き上がる。何度でも心臓を抜きとれる。

 ↑ この辺が「Surf」っぽいと。

 気を取り直してCD32版の優位性を探そう。
 ほら、映画冒頭のシーンがムービーで流れる。
 10秒チョイだけれど、一応動画だからね。
 ほら、「Surf」っぽいし。 ・・・ごめんなさい、
 「Surf」っぽいところ、これで最後になります(泣)。
 ところで このムービーだけど、
 タイトルロゴが意味なく回転するタイトル画面
 (右画像。2分1セット×3セット)のあとに
 ようやく再生されます。お楽しみに。


あとは、Stage3冒頭に追加アリです。
AMIGA版の「 Right Fork entrance 」という場所が大幅に長くなっています。
↓ AMIGA版の「 Right Fork entrance 」

コレに対し、
↓CD32版
「 Left Fork entrance 」 「 The fortress of SriWan 」 「 Right Fork entrance 」
実際には「 Left Fork entrance 」と「 The fortress of SriWan 」の2エリアが追加。
門番はオリジナル。門番に渡さねばならない小金が、Right Fork entrance に追加されているというものだ。

おお、「CD32版=AMIGA版の完全移植」という大概の構図に反し、いい仕事してるじゃないですか!?
しかし、これでも「ワースト1」となるって どういうことか説明しますと、
バグが多い、の一言に尽きる。

ステージ開幕時の一枚画表示に流れるファンファーレがバグることがある、
画面を切り替える際に「ザザザザ・・・!!」と不協和音がするようになることがある、
次のステージに切り替わってから「ジジジジ・・・!!」と不協和音をたてながら固まること30秒・・・なんてことがある、
アイテムを拾った瞬間画面がバグって次にはタイトル画面逝きしている・・・なんてこともある、

そして、極めつけが ↓


 扉の前に妙なモノが落ちているでしょう。
 囚われの人々を助けだす(そして礼に宝石貰う)ためのクリアーアイテム。
 AMIGA版では、もっと手前に落ちているので問題ありません。

 えーっと・・・、重なろうとするとドアから出てしまうし、
 外から入ってきた場合はアイテムと一部重なるけど右を向いているし、
 左を向くとドアから出てしまうし・・・
 要は、このクリアーアイテムを取れまへん。
 もっと言うと、そこに見えてはいるが実際には置かれていないようです。

 囚われ人が叫びかけてくる。「Help,Help. 」

―― 「 あ、ごめん、それコッチのセリフだから! だって、
   この檻を切り裂く あのアイテムが確かに あの場所にあるようなんだけど
   取れないでしょ?・・・だから・・・本当に、ごめんなさいね。
   それより みんな、摩訶摩訶って知ってる?バグの多さでは右に出るものないって。
   でも、基本的にバグは回避可能でエンディンまで行けるんだよね。
   バグでエンディンまで行けないゲームって何があるか、一緒に思い出そうよ。
   だって他にすることないし。ほら、HPも勝手に減ってきてるし。・・・ 」



・・・さっ、リコールしましょ!(笑)

取扱説明書記載の連絡先をチェック。
画像が物語るとおり、1ページ目があって2ページ目の こんなところで締めになっている。
次のページ見てもらえると分かる通り、他の言語になっていますから
正味2ページ弱で全ての説明をしているわけです。
スクリーンショット?・・・無いですね。


・・・で、連絡先の記載も無いじゃん。電話番号とか住所とか。どっちか1つでもいいから。
箱の裏は どうなっていたかしら。



ふーん・・・、そこまで拒絶しますか。クリアーもクレームもリコールも!

ここまで酷い作品ならば摩訶摩訶みたいにスタッフロールまでバグってる可能性ありますね!


・・・確認することすらできませんが(爆)




戻る