もっと、もっと馬鹿になろうぜ!「Space Spuds」というAmiga限定タイトルがございます、これは純正の箱説をもった商品ではなく、「X-Specs 3D」という Amiga用の3Dグラス・ユニットに付属したゲームなのです。 このユニットは1988年7月、アメリカ・テキサス州のHaitex社が・・・ ・・・いや、よそう。中途半端な知識をひけらかすのは。 そんなことより、 「プライドを持って買える」ゲームとは何が有り得るか、考えたことはあるだろうか。 筆者の答えとして、 当時革新的だった3Dゲームは それに該当しているに違いない、と。 コレクション的商品を買う、ということ自体、 「現金」を「物」に変えて長期間寝かすということであり、ハッキリいってリスクなのだ。 ・・・そこまでしてでも「買って持っていたい」と何故、思ってしまうのか。 その魅力とは何なのか。 「時代背景」と「夢」が見事にシンクロした瞬間に その作品が光って見えるからなのか。 あぁ、あぁ・・・そうじゃない! 筆者は しばしば阿呆になる。 この分野は、筆者のような阿呆な脳なら いっそのこと木槌で叩き壊すべきだということを教えてくれる。 ただ、ただ、馬鹿であれ。 阿呆になるのは誰でもできる、 一方で、馬鹿になるには勇気と度胸が必要だ。 |
この華々しくも恐ろしい時代を今一度体験すべく、 Haitex社がAmiga向けに発売した3Dゲームユニット「X-Specs 3D」を 遊んでみようという企画である。 任天堂のと激似なユニット。 本体との接合端子がAmigaの2Pポート用(9pin)なのと、 ロゴの違いを除けばほとんど同じではないか。 任天堂のユニットは国内市場であれば激安だから、複雑な心境になる。 任天堂ユニットの端子部の改造法を考え そして実行するコストと、 このオリジナルの付属ディスクの価値を足せば、なんとか元は取れているのか。 あっ、いけない!そんなケチな事をこの時代に言ってたらアホかと思われる。 |
ところでAmigaのゲームは家庭用ゲーム機「CD32」で動く筈である。 「X-Spects 3D」のフロッピーディスクも例外ではなく、 単に「Space Spuds」を遊ぶだけならば 当サイト基準の「CD32+FDDでの起動難易度」は「 Lv.1 」。 起動時にマウスの左右を同時押しして「Disable CPU caches」にチェック を入れ、「Original」を選択すれば、ゲーム中の画面下部ステータス表示が バグらずに済むのだ。 |
ゲームへ進む前に、他のアイコン達が気になる。 中央の横顔アイコンは3Dグラス用の画像ファイル。 ウィンドウ左下の「Cubes3D」はアニメーションデモだ。 X-Specs3D (←)蝶やグラスなどのオブジェが描かれた美しい1枚画。 Cat こちらは可愛いネコの画像。(→) |
Emar (←)海底の様子を表した立体図。 Propellers 特に意味の無い、プロペラを描いた1枚画。(→) さすがにプロペラは回っていない。 |
Cubes3D (←)直方体と立方体が回転しながら画面奥から手前を往復する、アニメーション・デモ。 Amigaキーボードが有れば、回転を制御できたりできる。 Demo 以上の4枚の画像と、アニメーション「Cubes3D」のスライドショーだ。 Amigaキーボードを持っていない人は、これをダブルクリックして順次 鑑賞するようにしよう。 MondoStereo 「3Dでモノづくりに興味あるならココへ連絡しな!」的な案内が書かれている。 |
Moleculesドロワー このドロワー(フォルダ)を開くと、更に複数のアイコンがズラリ。 Amigaキーボードがあるなら、左上の「Molecule3d」アイコンをダブルクリックして 当ドロワー内の他のファイル(アイコン)の名前を打ち込めば、開く事ができる。 Amigaキーボードが無いならば、各ファイル(アイコン)をいきなりダブルクリックしても 同様に開く事ができる。 |
各ファイルの中身は、有機化合物の立体的構成図だ。 これら立体模型がグルグルと自転している様は、(Amiga的に)既に圧巻だが、 X-specsユニットを通して見ることでTV画面から飛び出て見えるとなると 当時のAmigaファンなら感動も ひとしおだろう。うん、きっとそうに違いない。 ただし、この映像を正しく表示させるには「Disable CPU caches」と「Original」に チェックを入れて起動するだけではダメなのだ。 「Relokick 1.3」を使えば、この問題は解決できるぜよ。( 参照URL ) |
他にもアイコンはある。 自分で用意した画像を取り込んで3D画像化することも可能なようだ。 詳細はゴメン、ちょっと分からないので割愛させてもらって、早速ゲームを開始。 Space Spuds宇宙を自在に進む3人称3Dシューター。時折、画面下部中央の窓に実写の女性が表示され声が再生される。これだけでFCやSMSゲーより優位な感じが。 操作はマウスのみ。左クリックで攻撃、右クリックで武器変更だ。 |
マウスを上方へスライドさせると機体は下を向いて 下へ進む。 反対に下方へスライドさせると機体は上を向いて上へ進む。 この操作設定は変更できないので、まぁ慣れるしかないなぁ。 画面下部のステータス表示は左から順番に、 得点、自機のHP、選択中の武器の残数、残り時間・・・であることは分かった。 しかし、HPが「WEIGHT」って どういうことなのかしら。 攻撃受けると値がドンドン増えていくのょ・・・。 |
な〜んか、中央の女性が次第に太ってきてなぁい? 敵機をよく見ると、ハンバーガーだったりバームクーヘンだったりする。 えぇっ?・・・つまり、宇宙にお菓子が漂っていて、それを喰らってしまうと ドンドン太っていき、太り過ぎると体が破裂してゲームオーバーだと。 まさかの「バカゲー」なのか?! だいたい俺、全然うまくプレイできていないじゃん!何故? ・・・と思って気がついたら、TVが薄型液晶のままだったとさ。 |
そうなのよ。 液晶シャッター眼鏡式の3DっていうのはFCの3Dシステムやセガの3Dグラスに限らず、 TVはブラウン管(CRT)であることが必須なのでした。 80年代のAmigaのモニターは当然、ブラウン管(水平同期15kHz)。 ただしモニターに関しては、90年代の次世代機A600やA1200においては コンポジット端子で(当時はブラウン管の)TVに繋ぐことでも代替できた。 それなら是非試してみようぜ、と。 筆者の家では1つだけ現存する、ブラウン管のテレビ。 当然その映像方式はNTSCなので、(普段PAL版CD32本体を使う筆者は) わざわざNTSC本体を持ちだしてFDDを接続し、TVと繋いだ。 ( ちなみに「Space Spuds」自体はNTSC/PALがらみのエリアプロテクトは無いです。 しかしメーカーHaitexがアメリカの会社なので点滅がNTSC60Hzなんですねコレ。 PAL圏の人がCD32で遊ぶ場合、ブラウン管のユニバーサルTVを使用して 本体をNTSCモードで立ちあげて、TVは「PAL60」モードで映すしかないのか・・・。) ・・・などと心配している場合ではない。 な、なっ、なんと、よくよく見たら この3Dグラスが全く動作していないのである(笑)。 A1200の2Pポート(ジョイスティックポート)に繋げたら正常に点滅していたものが、 CD32の1Pポート(A1200の2Pポートに当たる)に繋げた途端に 全く点滅しないだとっ?! |
いやいやいや(笑)、筆者は諦めぬぞ。 CD32は史上最強の家庭用ハード、一生モノのゲーム機だと思っている。 遊べないAmigaのゲームなんか、1つでもあったら困るからなっ! ・・・なにか事態が進展したら、更新しますわ! |