Batman  PCエンジン版
Japanese TurboGrafx-16 verson of  BATMAN

     

 PCエンジンの Huカード版も リリースされた「バットマン」。 こちらもサンソフト製である。
 ただ、他の3バージョンと一線を画してサイドビューではない、
  斜め上から見下ろしたフィールド移動型のアクションゲームである。
 諸事情により、他のバージョンと同列に並べて比較すると、他作品に失礼になる。
 ゆえにページを分けて、特別扱い(笑)とする。
 ハードの関係からか、唯一の(!)海外未発売・日本限定発売ソフト でもある。


【操作方法】
 十字ボタン: 押した方向にバットマンを動かす
 TボタンまたはUボタン: バットランを投げる
 RUNボタン: ポーズ
 SELECTボタン: 使用しない

 以上。 超単純な操作である。

【ゲーム内容】
 フィールド内を動き回り、クリアーアイテムを集めろ、というもの。 敵を倒す事が目標ではない。
 敵はバットランで動きを止めた所を体当たりで吹っ飛ばして倒す。
 得点UPでトライ数が増加するので、倒すに越した事はないわけ だが。
 また、各ステージにはタイム制限がある(3分)。タイムが切れるとトライ数が1減ってしまう。
 ただし、トライ数が尽きても無限コンティニュー・かつパスワード制。
 パスワード再開後のトライ数は初期設定同様の「3回」から。楽勝でしょう。

 マップは迷路状になっており、タイムロスを防ぐ意味でも ある程度の マップ把握が必要だろう。
 そこで重要なのは、床に点滅する三角マーク。
 そこに立つと、スピ アーガン(ワイヤー移動)で一気に別の場所に移動できる。

アイテム紹介

アイテム
効果

バットマンの歩行スピードアップ
コウモリ
バットランのスピードアップ

バットランの飛距離アップ
コウモリ 3匹
バットラン連射可能に
時計
タイムが1分延長する
爆弾
画面内の敵を全滅

バットマンが一定時間無敵に
ジョーカーの顔
バットランのパワーダウン


【 ステージ紹介 】


  タイトル画面を放置しても、プレイデモやストーリーデモは一切無し。
 嫌な予感がしつつも、ゲームスタート。
 各ステージが始まる前に同じ1枚画が挿入される。
 美しいゴッサムシティの夜景ではないか。
Scene1
 毒薬を含んだ化粧品をゴッサムシティ内にばら撒いたジョーカー軍。
 これらの化粧品全てを回収せよ。
 これがゴッサムシティの路地だというのだ。
 「床」っぽい地面に、レンガの壁ばかりが こんなに。
 渋い夜景?とんでもない。
 ゴッサムの妖しいライトアップや陰の描写は皆無だ。
 その辺の都市感は、やはりFC版が上手い。 うーん・・・。
 これを大人が楽しむのには少々無理がある。しかも12面もあるのょ・・・。



 12面をやっと終えたら、デモが挿入される。
 バットマンは美術館へ。
 グラフィックの書き込みこそ細かいが、
 ビッキーやジョーカーといったキャラはデモに登場せず、
 この絵を見ただけでは、なぜバットマンが美術館に来たかの動機づけが
 不明な上に、前のシーンとの繋がりも分からない。
Scene2
 ジョーカーの魔の手が美術館にも。ペンキで汚された絵画をピカピカにせよ。
 ・・・絵画の描写が意外にも細かい事が分かる。 これは好印象だが、
 MD版でも細かかった。特別PCE版が凄いという訳ではない。
 で、問題は見下ろし型フィールド特有の弱点、「高さの表現ができていない」。
 MD版やGB版でも描かれた、美術館の窓が確かに付いてはいるが、
 何かが違う。・・・それはまさに高さが出ていないのだ。
 バットマンの背丈と、壁の高さに大きな差が無いのが原因している。
 MD版やGB版は背景一面が壁(窓)だったため、
 美術館の天井の高さは表現できていたと言えるだろう。



 美術館も12面ある。実際にプレイすれば分かると思うが、
 難易度はチットモ変わりません。特に地形が難しくなるワケでもなければ、
 変わった動きをする敵が出現するわけでもない。
 ジョーカー・アイコンが絶妙な位置に置かれているわけでもない。
 アクションゲームとしての面白さが感じられない、“作業ゲー”。

 あいかわらず、デモには凝ります。バットモービルを登場させてます。
Scene3
 ジョーカーのアジトである化学工場に侵入し、
 X印に爆弾を設置して工場を爆破させろ。

 ・・・ん?これが化学工場? まだGB版の方が良く表現できている。
 一面の緑は廃液をイメージしているのだろうが、
 それならそうと、もっと上手く表現できないものか?
 これはチープな印象の「工場」だ。 工場ならMD版かFC版かな。
 しかも、こんなのが12面も続くの。ダレるねぇ。



 ほら、ご褒美だ。デモシーンのために作業ゲー12面をやれってさ。
 12面先にニンジンぶら下げられて走らされる馬のような気分か。

 アクシス化学工場の全体像を描いた画はPCエンジン版のみなので貴重。
 でも美術館と順序逆でしょ・・・。しかも爆破は無いです。
 当PCエンジン版は、原作映画のストーリー性再現度に関して
 低評価を付けざるを得ない。
Scene4
 夜の町に浮かぶ奇妙な形の風船には毒ガスが つまっている。
 全ての風船を撤去せよ。

 ・・・夜の町? 確かにチョット暗いっぽいけどねぇ。
 で、これもゴッサムシティの街だっていうのだから堪らない。
 もぅ、いい加減にして。
 思えば敵キャラも変化してないね。 さ、またまた12面頑張りましょ。



 最後のデモ。バットウィンを登場させている上、
 銃1つで構えるジョーカーに対して上空より連射攻撃を浴びせる、
 映画の有名なシーンを再現している。
 MD版でのビッキー救出シーンに当たる、当作最大の見せ場か。
Scene5
 大聖堂にてジョーカーと雌雄を決する時が来た。
 いままでのステージとは角度が変わり、ベルトアクション面のような構成。
 おかげで大聖堂の背景がシッカリ表現できた(?)。
 さすがサンソフト、最後は裏切らなかった・・・と言いたいところだが、
 簡単すぎて物足りない。
 元々PCE版に於いて、このスタイルはメインじゃないからなのか、何なのか。
 2体の中ボスが登場するが、倒し方にも すぐ気付くと思う。敢えて明記せぬ。


Last Boss:  The Joker
 
 ここの背景も素晴らしい。高さの表現が出来ている。
 肝心のジョーカーの強さは・・・ご愛敬。 っていうか、なんじゃそりゃ(笑)。
 先ほどの中ボスよりも簡単に倒せる筈だ。

 あぁ、つまらないゲームだった。
 全体の約98%がダレ易いステージだから仕方ないのかもしれないが。
 やっぱり、デモと大聖堂の為に頑張るゲームなのかなぁ・・・。


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