The Eidolon

「The Eidolon」は1985年、Lucasfilm Games(後のLucas Arts、2013年死亡)が
初めて発表したタイトルの1つ、「Rescue on Fractalus!」(1984年)という3Dシューティンから
「Koronis Rift」と枝分かれする形で生まれたタイトル。
片や「Koronis Rift」が前作のスタイルを色濃く受け継いでいたのに対し、
「The Eidolon」は入り組んだ洞窟内の、しかも地面スレスレの高さ上を移動するゲームとなっており
Doom系のゲームを求めるプレイヤーも全く違和感を感じないような雰囲気。
Lucasfilmは、当時アメリカ市場を主導する革新的ゲームを出し続けた「第1人者」らの一角。
そんじょそこらの個人レベルがコレら3D視点のゲームを作れる段階に至っていなかったのは確かだから、
そのLucasfilmから生まれた「The Eidolon」以前のFPSってのは考えにくい、と。
念のため既述の「仮定」のもと1970年代にまで遡ってAtari8bit機及びAtari2600のゲームを調べても、
“1984年以前”でバトル要素も有りってのは「Battlezone」のクローンしか無かった。
 

繰り返しになるが「The Eidolon」は、
1985年末にアメリカでC64及びAtari XL/XE向けに発売された、
5.25インチフロッピーのゲームだ。
『 家庭用ゲーム機「Atari XEGS」にFDD接続すれば、
 お前の言う「家庭用ゲーム機で商品現物を起動する」が叶うじゃん 』
・・・と思った奴もいただろうが、こういう場合、筆者は別の手段も探すようにしている。
何故かっていうと、XEGSは確かに家庭用ゲーム機として売り出されたハードだが
『ホビーパソコンAtari 65XEと どう違うんですか、いや殆ど違わんだろ』って思っているから。
「Atari 65XE」に内蔵FDDが無く結局のところFDDを外付けせねばならないのなら、
それに関してはXEGSと同じじゃないか、と。
そんなXEGSと比べ、CD32は誰が見ても家庭用ゲーム機だ。
当タイトルは翌1986年にZX Spectrumにも移植されていたんだった。
それはCD32上で動くはずだ。カセット現物の市場価格も安いしな。
だから筆者は当然のように、
ZX Spectrum版を安値でサッと入手したわ。
家庭用ゲーム機CD32上で起動する方法は

既に解説済みだったが、その方法では
プロテクションのかかった商品は起動できない。
それを知らずに同様にトライしたら
「起動するよ」は「嘘」になる。

当然筆者に悪意は無いので、
すぐに当サイト全域で「ZBD」の暫定基準を敷いた。
 
で、WOSの説明によれば
「The Eidolon」の再販(廉価)版は
プロテクション・スキームは無い筈だよなぁ。
おぉっ!?「Lucasfilm」ロゴだって表示された!
いけたか・・・?!

ありゃ、ありゃ、ありゃ・・・? ありゃぁぁー・・・。
 


・・・そうなのだ。
こんな激安プライスの再販版にも、初版と同様にプロテクションが かかっていたのだった。
ZX Spectrum全体で共通する事象でも、「The Eidolon」にのみ見られる事象でもない。
Spectrumの商品現物に於いては、こういうことは まさにケース・バイ・ケースだ。
さて、こうなると次は「商品現物から取ったデータでゲームを開始する」目標に切り替わる。
まずはテープイメージ作成である。
たまたま筆者のPCには「Media Player エンコーダ」が入っていたので、早速カセット音声を入力すると、
それは「.wma」ファイルとして保存された。
これは「Rip! Audico Free」というフリーウェアを使わせてもらえば簡単に「.wav」ファイルに変換できるが、
まだ それだけではダメで、「8bitのモノラル」の「.wav」ファイルに変換する必要があったのだった。
それには「WaveCnvPlus」というフリーウェアが便利だった。

いざ、WAVファイルをTZXファイルに変換。
それに関しては、現行のPCでも簡単に扱えるフリーウェアとして「MakeTZX」と「Wav2tzx」がある。
「MakeTZX」は様々なプロテクションスキームに対応した優れモノだ。
(プロテクションスキームのかかったテープから普通にTZXファイルを作ろうとしても失敗する。)
「The Eidolon」はActivisionが発売しているので同社独自のプロテクションスキームが
かかっているのだろうと筆者は思っていた。だが少なくとも、この廉価版はチョット違ったようだ。
例えば「MakeTZX」と自作「eidolon.wav」をC:直下に置いたとすると、
コマンドプロンプトからの命令は
「c:\maketzx -lm -f c:\eidolon」ではなく
「c:\maketzx -a -f c:\eidolon」だと上手くいったのである。
「-lm」は“Activitionのスキームに対応せよ”、「-a」は“該当スキームを自動的に割り出して対応せよ”、だから
「MakeTZX」がカバーするプロテクションスキームのどれかであったんだろう。

それでも、完成した「eidolon.tzx」は例えばASpで開けるかというと、それは無理。
この時点では「プロテクションスキームを含めた正確なデータを読み出した」ことに成功しただけだ。
次にすべきは、その(プロテクションスキーム付きの)TZXを
読むことのできるエミュレータを探すことだ。
これに関しては、できれば新しいものから試すべきだ。
新しい種類ほど、ロードが速い以外に、
そうしたマイナーなプロテクションにも対応している可能性がある。
無事「eidolon.tzx」を「Lucasfilm」ロゴよりも先、
タイトル画面まで進ませることができたのは、
ロシア人が開発し2011年に更新版がリリースされた、
「Z80Stealth」というエミュレータ(フリーウェア)であった。



は? ・・・テープを裏返して完全に巻き戻してEnterキー押せ?
実は「The Eidolon」のカセットって表面と裏面では中身が違ってたんだ。
裏面は48K環境で次のステージをロードするためだけに存在してる。
表面とは別に裏面のTZXも新たに作成してみて分かったことだ。
結論から言うと、Z80Stealthでは「(画面そのままで)裏面再生」の再現はできず、
その裏面にもプロテクションが かかっている為に、Z80Stealthで作成したスナップショットを
ASpで開き裏面TZXを再生してロードを試みることも、また不可能であった。
(Aspは「The Eidolon」のプロテクションスキームに対応していない=裏面TZXを読めない。)
仮にロードできたとしてもStage1までのデータであり、
そのスナップショットファイルから下位のエミュでゲームを開始したとしても
Stage2のロード時にハンアップすることは明確である。
まぁ、無理もない。
「マルチロード」(プロテクションスキームという意味でなく、最初に全データをロードしないという意味)採用のゲームって、
全データ量が大き過ぎるために48Kのシステムではメモリが足りないから、そういう形態を採っていたのだった。
だから、「マルチロード制」と「プロテクションスキーム」の両方が絡んだタイトルは少々厄介である。
当サイト関連なら同1986年の「Hunchback the Adventure」もマルチロード採用のプロテクションスキーム有りだった。
RAM増設無しのCD32で遊ぶ場合、次のステージ・データを読むタイミンでスナップショットファイルを作成し、
WinUAE上のASpでソレを開きつつ、次のデータの入ったTZXを読む、無事次のステージへ進めたら
スナップショットファイルを作成して再びCD32実機へ持ち帰る・・・なぁ〜んて芸当で対応可能であった。
だがそれは、「Hunchback the Adventure」にかかっているプロテクションスキームが
「Speedlock 2」という当時から著名なスキームであった為に
(旧世代のエミュである)ASpですらも「Speedlock 2」のかかったTZXを強引に読むことができたからなんだ。
だがASpは「The Eidolon」に施されたスキームには対応しておらず、その手法は通用しないというわけだ。

しかし「ZXSpin」という、これも比較的新しいエミュレータ(フリーウェア)があり、これは
最初のタイトル画面のロードには失敗するものの、各ステージをロードすることに関しては成功するのであった。
だから、まずは「Turn tape over 〜」画面でスナップショットファイルを作ったら、「Z80Stealth」とはオサラバ。
次にZXSpinを起動。「The Eidolon」カセット裏面から作ったTZXをセット。雑音が鳴り止んだら(笑)、
さっき「Z80Stealth」上で作ったスナップショットを開く。そして、改めて裏面のTZXを再生すれば、Stage1が始まるぞ。
そしたら、そこでスナップショット作成(.snaファイル)。これをCD32実機へ持ち帰り!
CD32実機上のZXAMでStage1を満喫。
ボスを倒した瞬間スナップショットファイル(Save Format:Mirageでの.snaファイル)作成。
それをPC上のZXSpinでロード。
予めセットした裏面カセットのTZXを改めて再生すれば、ちゃんと次のステージを読んでくれるぞ。
Stage2が始まったら、そこでスナップショットファイルを作成。
それをCD32実機へ持ち帰る・・・。これを繰り返すことで全ステージをCD32上で遊べることになる。



ほぉ〜ら、来たっ!!
あの「The Eidolon」が家庭用ゲーム機でテレビゲームとして
遊べるようになった瞬間である。
しかも商品現物を買って&それを利用して・・・の流れだ。
既述の様々なツールに携わった多くの人々のお陰で、
こんな遊び方を実現させて貰っている。
これでハッピーじゃないと言ったら天罰が下りそうだぜ(笑)。

CD32純正パッドまたはメガドライブ純正パッドの方向キーは、
「↑」:前進、 「↓」:後退、 「←」:左回転、 「→」:右回転だ。まさにFPSだろ?
Redボタン(メガドライブパッドならBボタン)で攻撃(玉を撃つ)だ。Shooterだ!

360度、自由に自転できる。入り組んだ洞窟の中を。
嗚呼、初めてFPSを知った時のワクワク感だよな!

同じ1986年、日本ではファミコンに「魔界村」が移植された時、何と言われたか。
「これが1メガの大容量か!」「どうりでグラフィックが綺麗なワケだ!」って感動していたんだ。
もし! 彼らが当時この「The Eidolon」を目の当たりにしたら・・・
ひっくり返ってしまうんじゃないか?


@今いるステージ。(画像はStage3)
A自分のHP。死んだらステージ最初からの戻り復活となる。
B残りタイム。長針が1周すると短針が1/12周分進み、
  短針が1周すると数字が1減る。
  数字がゼロになってから短針が1周すると真のゲームオーバーになり、
  テープをフルに巻き戻せと言われる(Stage1から やり直し)。
  タイムはステージ・クリアー時に「2」だけ追加される程度ゆえ貴重。
C当ゲームの武器は4種類(4色のファイヤーボール、以下、「玉」)。
  使用可能な玉の色が点灯し、現在選択中の玉の色が点滅している。
  何色の玉まで使用可能かというのは、残りHPと密接に関係がある。
Dおおよそ、どの方角を向いているか。画像の例では、西北西あたりを向いていても
  西を示す三角が点滅している。だから参考程度にしておこう。
E入手した宝石。ボス敵の目前にはバリヤーが張られており、
  そのバリヤーの色と同じ色の宝石が必要。
  使わなかった宝石は次のステージへ持ち越すことが可能だ。
Fボス敵からの距離を表す。マップ把握に参照しよう。
当ゲームはパッド以外にキーボードも必須となる。(当ページの遊び方ならAmigaキーボード)
1キー:赤色の玉を選択、 2キー:黄金の玉を選択、 3キー:緑色の玉を選択、
4キー:青色の玉を選択、 Spaceキー:アイテムを入手する、 Pキー:ポーズ/ポーズ解除

4色の「玉」だが、コチラが武器として放つ場合と、初めから存在している場合とでは
全く性質が異なるということを念頭に置かなければならない。

(ザコ敵に対して)
武器として放つ場合の効果
初めから空中に存在している場合

区分
効果
赤色の玉
ダメージを与える
トラップとして。
(入手不可)
触れるとHPが減る。
赤色の玉を当てると黄金の玉に変化する。
黄金の玉
敵のHPを回復する
( つまり、“ 逆効果 ” )
アイテムとして。
(Spaceキーで入手可能)
HPを回復する。
緑色の玉
別の種類のザコ敵に変化させる
アイテムとして。
(Spaceキーで入手可能)
HPを回復する。
青色の玉
一定時間、敵の動きを止める
アイテムとして。
(Spaceキーで入手可能)
一定時間、タイムの針の動きを止める。
但し、その間はザコ敵を倒すことができない。


敵が現れた!!
このゲームのザコ敵は、各ステージ内の要所にある宝石を
守るように配置されている。
普段は眠るように止まっているが、近づくと一気に目を覚まして動き出すのだ。
ザコ敵は皆、コチラに詰め寄ってダメージを与えてくるというパターン。
コチラはバックしながら、敵との距離をとりながら攻撃だ。
Stage1では3種類のザコ敵がいて、それぞれ姿や危険度は違う。
ステージが進むと新しい種類の敵キャラも配置されている。
Stage2、Stage3で1種類ずつ追加、Stage4で2種類追加・・・ってな感じだ。
これなら次のステージが楽しみになるよなぁ。

各ステージにはボス敵が潜んでいる。
全8ステージで、ボス敵の姿が全て違うというのもポイント高いよな。
ボス戦は独特のスタイルを採用している。
ボスは4色の玉を次々と吐いてくる。これらに触れるとダメージだ。
その衝撃でコチラは向きまで大きく変わってしまうぞ。
これらの玉はコチラが移動して避けるのではなく、衝突前に
Spaceキーで確実にキャッチ(吸収)するんだ。逆にHP回復になる。
また、各ボスは特定の色の玉しかダメージを受け付けない。
これは何度もトライしながら体得するしかなかったんだ。



やっぱり、怖いのはタイムだろう。
HPが尽きて そのステージの最初に戻されたとしても
そのステージに最初に来た時の残りタイムに戻る仕様だから、
序盤のステージ群で時間を食い過ぎると
後半ステージでジリ貧になることは明らかじゃないか。
だから前半ステージで重要なことは、
どのタイミンで青色の玉を入手するかということと、
できるだけ素早く宝石を集めることだよな。
その為には・・・!

・・・マップの把握。
頭の中に入らないならマッピン。

インターネットで何でも分かる世の中だから
海外サイトから正確なマップを拾うこともできよう。
そんな中、敢えて自分で作るというのも
ゲームに愛着が持てて良いよね。
左画像の例は、Stage3のイメージだ。

引き続き、“ クラシック ” を楽しむとしよう。



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