Carver  on Amiga CD32
 

・・・ そして、激ムズゲーム への考え方が変わる?!

 Amiga限定タイトルにおける、最凶作品。
 どんなに恐ろしいマップや激しすぎる敵がプレイヤーを待ち構え、
 プレイヤーを一瞬で気絶させる程の最悪な第一印象で以って
 地獄の底に叩きつけてくれるだろうか。
 ・・・そんなマゾヒスティックな期待は見事なまでに外れることとなる。

 様々な武器に加え 魔法やポーションなど、中世の「剣と魔法の」ファンタジックな
 世界観で基調を合わせたアイテム。
 長過ぎでも短過ぎでもない道中の最後にボス敵が用意されたステージが全6セット。
 Amiga・洋ゲー・難ゲー云々の前に、なんと無難でオーソドックスなゲームなのだろう。
 それは美しすぎるまでに!!
 下にpngファイルでまとめたので見てほしい。

 「Amigaゲーを今から始めたいので、手始めにコレから遊んでみようかな」って
 気持ちにまで なってしまわないだろうか。
 イイじゃないですか。いきなりコレ買って遊んでみればいいじゃないですか!
 死んでください?






CD32ベースの本体で遊びたいなら、当ゲームのABDは「Lv.3」。
degraderでは起動できず、relokick1.3でなら正常にゲームへ進める。
ゲーム中は、上図の通りF1〜F10キーでの攻撃手段変更が必須なので
クリアー目指して本気でやるならAmigaキーボードも不可欠だ。

一見「無難な良ゲー」にしか見えない当ゲームを、何故こうもクリアーすらできないのか、
自分で情けなくなってきてしまうものだが、
当ゲームの紹介も兼ねて、幾つか思い当たる事象を列挙していくとする。

1. トライ数の初期設定が たったの「1回」。
 当サイトでは良かれと思ってHPを「一の位と十の位」と見なして解説しているが、
 これは則ち、床の無いところに落ちた場合、即座に死亡する為である。
 ただでさえ1ミスしたら、そのステージの最初からの再開だ。
 一方で、パスワード制やゲームオーバー後のコンティニューなどは存在していない。
 それで残りトライ数が無いという事は、
 不意なる落下死でStage1の最初からのやり直しになるパターンが茶飯事という事だ。
 トライ数は各ステージのクリアー時に、その時点でのHP残などが起因する得点によって増加する。
 Stage1クリアー時で例えると、状態が良ければ1up、悪ければ1upしない。
 常に「後が無い」状態で、(一層足場が不安定になる)Stage2へ進むことになる。

2. 画面が左にはスクロールしない(戻らない)。
 そのStage2にて、一層脱力させられる要素がコレ。
 これはStage2と限らず、これからずっと続く「覚え要素」であり、
 選んだルートが行き止まりならば、「ESC」キーで自殺し、大切なトライ数を失う羽目になる。

3. 通常武器のリーチが短すぎ。
 当サイトでは各武器のリーチを画像で示した。
 最もリーチのあるモーニンスターでさえ、
 「悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲」のソニアの初期ムチくらいしかない。
 とりわけ当ゲームは他のゲームと比べて縮尺が小さい(表示域が広い=自キャラが小さい)ので
 余計にリーチが無いように感じてしまう。

4. 敵に触れている間、HPが連続的に減っていく。
 他の洋ゲーにもありがちな事象で、「Turrican 1」や「スーパースターウォーズ」を連想できるが、
 前者は1upアイテムが大量に隠されていたし、いずれも
 当サイト基準の難易度格付けがB格でしかなかったではないか。
 結局、トータル面での難度が高すぎる時、個々の要素に一層コタえだすということか。

5. 敵の出現位置やパターンがワンパターンでない。
 その「トータル面での難度」に最も強く寄与していると思われし事象。
 正確にいえば、「ここには この敵」「ここには この敵」といった情報が
 マップ上に大量に用意されていて、プレイ毎に無作為に その中から幾らかが選出される。
 全く同じ位置でも敵の種類だけが変わる場合もある。
 ほんの部分的にでもワンパターンでないゲームは、魔界村シリーズをはじめとして
 「難ゲー」と言われる多くのゲームで見られる事象であるが、
 LYNX版「バットマンリターンズ」をも連想させる当作のシステムにおいては
 道中での「パターン化」が極めて限定的となろう。
 特に筆者が「他のゲームには無い」と感じた事は、
 全く同じ「場所」に配置された同じ「種類」の敵であっても、
 その行動はプレイ毎に異なる(大きく分けて以下の3種類の中から毎回変わる)点だ。

 ・(平面的とは限らぬが)一定の範囲を往復する(まわる)だけ
 ・出現と同時にプレイヤーと重なるように近づいてくる
 ・プレイヤーが一定距離近づいた途端に、プレイヤーと重なるように近づいてくる

 しかも、3種類の何れかであったとして、プレイヤーの距離や一定時間の経過により
 残り2種類のいずれかに変化する事がある。
 (さすがのLYNX版バットマンリターンズでさえも、このようなことは無かった。)
 
 1000人が当ゲームの「Stgae1」を一斉に始めた時、
 何から何まで全く同じ敵配置であった人が10人いたとしても、
 その10人の「Stage1」の敵の挙動は違うのである。
 先に挙げたような自キャラのリーチやストイックさを加味するに
 多少パターンが異なったからといって「ツブシが効く」ような手段は無い為、
 クリアーへの軌跡は1000人で1000通り存在するであろう。
 攻略記事なんて書ける筈無いではないか(笑)。

6. 敵の弾は一定間隔でない。
 ランダムであるという意味でもない。正確には、
 最後に吐いた弾が画面上から消えた刹那、次を吐くという性質だ。
 弾を吐く全てのザコやボスは、例外なくプレイヤーを狙って吐く為、
 プレイヤーの距離間が異なれば飛んでいく弾の角度は異なってくる。
 その弾は遅かれ早かれ床など地形に当たって消滅する。この時点で、
 次の弾を吐くタイミンも違ってくるというワケだ。
 これがプレイヤーの操作に影響を与えない筈が無かろう。
 そして問題もある。
 諸事情で通常武器による近距離で、弾を吐く敵を倒しに行く時。
 近距離で被弾すれば、弾は画面上から消える(弾はプレイヤーキャラを貫通しない)。
 画面上から消えたから、敵は即、「次」を吐く。両者の距離は縮んでいるから
 なおさら避けれずに、また被弾する。即、「次」が吐かれる・・・。
 一連の悲劇は「初動」での判断ミス・操作ミスによる。
 だからといって人間に「ミスするな」といっても・・・・。

7. コチラの飛び道具や魔法攻撃には限り有り。
 早い話が、そのステージで手に入る分だけでラスボスに勝てまへん。
 こうなるとエミュ厨が「Save state」を利用して1000回ロードしようが10000回やり直そうが
 彼らですらもクリアーできないという事に。
 逆算して、飛び道具を前ステージから温存して来なければならないということ。
 言うだけなら簡単だし、他の難ゲーで所謂「復活不能」というシーンは まさしくコレではないか。
 だからといってStage5のボス戦で飛び道具を温存できる筈もなく、
 寧ろStage5ボスに備えて飛び道具を溜めて来る必要がある有様で、
 では どのボス戦でリスク冒して出し惜しみするのかって話になる。
 その問題に答えが出たとしても、通常のザコ敵に対して使用する余裕など、
 あるわけないことはハッキリするであろう。
 ここで前項「6.」の問題に戻る。
 ステージ4道中でプレイヤーを狙い撃ちする大量のマッドマンへの対処である。
 そこでは、もはや挑戦者の「実力」しかモノをいわないのである。

8. ポーズ不可。
 とっさに攻撃手段を変更したい時、とりあえずポーズができるのかできないかの差!
 CD32ユーザーならばAmigaキーボードを膝の上に置いて普段はCD32パッドを握っていたとしても
 一瞬だけTVから目を放してF1〜F10の辺りを見るというリスク!(笑)
 この「隙」に関してはA500ユーザーであろうがA1200ユーザーであろうが変わりない。
 ファンクションキーと各武器・魔法の結びつきを完全に頭に入れておくのは勿論だが、
 それと「下を見ずに、押したいファンクションキーを即押せる」技術は別物だからねっ。

・・・とまぁ、こんな感じなのだが、このゲームを見ていると
つくづく、「難ゲーって一体、何を以って そういうのだろう?」等と自問させられる。
一見 何の変哲もないゲームで、純正の箱の裏表紙では
良心的そうなクリエイター様らが笑顔を見せている。
箱説共にドイツ語のみだが、取説の「ヒント」の項を和訳したところで
「ステージを追うごとに難しくなるわけでないのでヤル気が削がれる事はないだろう」
といった精神論(実はウソ)や、
「適切な武器を使い分けなさい」といった「焼け石に水」的なアドバイスしかありませんぜよ。

・・・いったい、なんなのだろう。


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