Green Five  on Amiga CD32


“ 美しい地獄を見たい。”

 ある日Amigaのパブリックドメインを物色していたところ、とんでもない逸品を発見したのだった。
 それはCD32用ソフト「Assassins CD( 1 )」に収録されていた。
 美しいデモ、滑らかなアニメーション。漂う雰囲気は紛れもなく「アウターワールド」。
 筆者は画面を見ただけで一目惚れしたが、実際プレイを進めて感動せずには居られなかった。
 アウターワールド系のPDは他に「Captain Bonus」という惜しい作品(「Assassins CD 2」に収録)
 もあったけれど、この「Green Five」は実に高度に完成された作品である。
 まず最初に、当作の完成に2年もかけたというMark Judge氏に敬意を表したい。
 アウターワールドの背景の何に惹きつけられるのか。
 現実世界と似て異なる、そう、確かにそこは「あの世」・・・。今自分が居る場所は地球上のどこでもない。
 ・・・そう感じさせてくれる風景。1978年の漫画「オルフェの遺言」で描かれた風景に惹き込まれた記憶が蘇る。
 そして、また一つ「あの世」は描かれた。溢れんばかりのAmigaの夢を乗せて。
 アウターワールドを凌駕する難易度と共に。 こればかりは是非、私に紹介させてください。

 元々Disk1のみ配布のシェアウェアなだけに、
 最初の方で詰まって「ココから先は無いのかな」と止めてしまう人もいたのでは、と筆者の第六感が働く。
 当サイトでは具体的な攻略は明記しない(多分、「余計なお世話」だろう)。ただ、スクリーンショットを見て
 「あ、俺 この場所見てねぇ・・・!」ってなった御仁は、迷わず今からリトライしろよな?


Story:

 ジェネシス・ユニバース・クリエイターのモジュールM22サブプログラムが
 立ちあがった。「やぁ、User: A23L9A17B 。」
 この度 User: P7351G82G が新たなメモリを得ることになり、
 M79ジュリーモジュールにより、君はメモリセクターH3を保護する役目として
 無作為に選出されたのだ。
 更に、コンピュータによって生成された2体の生命体も選出している。
 もし君が失敗した時 メモリを守るために犠牲になってもらう為だ。

 1体目の生命体は女性でID: Q94578WK、出身はCYAN2 。
 2体目は男性でID: R76384EJ、出身はRED4 。
 君の任務は、人工世界の選ばれたエリアの中でID: R76384EJを導くことと
 それから、両方の生命体をメモリプライオリティーと一緒に生きていられる安全な
 領域へ導くことである。
 ID: Q94578WK は、特別な知識をくれ手助けしてくれるだろう。
 しかしながら彼女は、今回の任務を完了する為には 究極なまでに
 助けを必要ともするだろう。


 最初に断わっておくと、各生命体は
 ここが何処で何故ここにいるのかは勿論のこと、
 自分たちがコンピュータから生成されたことすら知らない。
 彼等の命は君に委ねられる。もし失敗したら、User: P7351G82G の為の
 フリースペースをつくる過程でジェネシスシステムのメモリバンクから彼等は
 消去されてしまう。データの損失は明らかに残念なことだが、
 現実にはメモリの予算は限られている。それゆえに、
 今君に与えられた任務は、このような状況下での最善な策であると
 判断されるのだ。

Stage 1

 難解な世界観やストーリーに関しては
 映画「マトリックス」あたりを連想すれば良いかと思われる。
 さて、ゲームは始まる。プレイヤーはUser: A23L9A17Bとして
 白い服の男性(ID: R76384EJ)を操作することになる。
操作方法(右向き時):
 →: 歩く、 ↑+→: キック、 ↑+←: バック転、 ↓: しゃがむ
 Redボタン: ジャブ、 ↓+Redボタン: しゃがみながらジャブ、
 →+Redボタン: 横ジャンプ

 
 HPは5メモリ。敵の攻撃を受けたりトラップに触れると1メモリずつ失う。
 HPが尽きたらゲームオーバーだ。
 今のところ、コンティニュー数は無限である。
 ただ、
 コンティニューした再開地点=ゲーム開幕地点(最初の場所)、だけれどもな!
 トラップに触れると画面端からの戻り復活。
 そして、トラップの間隔は驚くほど厳しい。 ・・・ま、のぞむところだぜ!
 (←) ロープと滑車による仕掛け。どうすれば動かすことができるのか。

 ・・・目の前に女性が立っている。ID: Q94578WK のことだ。

 彼女は何か光り輝くものを 飛ばしてきた。
 それは彼の掌に落ちる。
 小さなナイフだった。
 そして彼女は鳥となって飛んで行った・・・。
 この一連のやり取りは
 全部、アニメーションデモですぞ!!


 サイバー空間に降り立った。
 左側には未知の世界が広がっているようだ。
 だが、ここからのジャンプでは到底届きそうにないように見えるが・・・?

 透明なマスの内 いずれかの上には乗れるというオチなのか。
 更に、当作品独特のトリックもある。
 現実世界で我々が例えば穴を跳び越えようとした時、前方に踏み込んだ足で
 強く地面を蹴るワケだから、足が淵から出るということは常識的に有り得ないと
 思い込んでしまうからね。

 なんとも言えぬ雰囲気に満ちた荒野が広がっている。
 ここから先も、火炎などの間隔トラップが行方を阻む。

 地面にある白いモノ。明らかに怪しい。
 ただ、普通に踏んだり通過しただけでは何も起こらない。


 石造りの立派な建物が見える。
 門番なのか、人型の敵が立っている。
 開幕地点にいたタイプとは比べものにならぬほど手強い。
 近づけば無敵のバリアーを貼り、離れれば射撃してくる。
 こちらのジャブやキックは全て、バリアーで無効化される模様。

 飛び道具でも無ければ勝ち目は無いではないか・・・。


 再び、先程の女性と出会う。
 あの時と同様、彼女は光り輝くものを彼の手元に
 飛ばしてきた。
 それは銃に姿を変える。
 助かった、これで奴と互角に(?)戦える。
 操作方法(右向き時):
 ↑+Redボタン: 銃を構える、 Redボタン: 銃を撃つ、
 ←: 銃をしまう




 建物の中に入るや否や、レーザーが色んな角度で走る。
 レーザーをかい潜って抜けた先には・・・。
 下へ落ちるとDisk2を要求され、左へ進むと Disk3を要求される。
 ・・・と、ここまで。

 以上が、シェアウェアとして当時のAmigaユーザーが知り得たDisk1である。
 Disk2以降はMark宛てに送金をした極一部の人だけしか知り得ず、
 「Assassins CD」にも収録されていないので、
 ベールに包まれたミステリアスな世界と言えた。

幸運なことに、後に制作者様のサイトにて、
Disk1〜Disk3のADFファイルがフリーとして公開された。

AmigaのゲームをPC上で遊んでも面白みがないだろう。
途中までCD32で遊べるのに、結局PCの前に座るんかぁ〜?、アホらし、
Disk2以降もCD32で遊びたい・・・という発想になるわな、必然的に。
幻の「Disk2」「Disk3」を物理的に作りましょうや、 って話になる。
「Assassin CD」版でのディスク切り替え指示画面から「Disk2」は読めないので
「Disk1」も一緒に作ってしまおう。
( 一連の作業は、当作品がフリーであることが明確な為に可能なことです。
 フリーでないゲームで同様のコトは許されません。あしからず!! )

コラム: ADFファイルをフロッピーに移すには

マニュアルは別のページにて書き直した。
それを参考に。






戦いの準備は整った。
・・・そして、ゲームは本格的に厳しくなっていく。

Disk2の世界を見に行く→ Go !!


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2012 2/27追記 当ページを公開するまでに制作者様のサイトは大幅にリニューアルされてしまいました。
他のアーカイブサイトにも置かれているかもしれません。探してみましょう!







まだ見つかりませんか?ネット上に ありませんか?(笑